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他の作品についても同様なのだが、若い頃に読んだ時とは、だいぶ印象が変わった。第一回の芥川賞選考作に挙げられた作品であるが、なぜ『道化の華』ではなく本作であったのか、以前は不思議でならなかった。選考委員の一人であった滝井孝作氏は賞の選後に<ガッチリとした短編。芥川式の作風>と評したという。実は、本作と併せて、芥川龍之介の『歯車』『或る阿呆の一生』を読んでいた。ここにきて、ようやく腑に落ちた気がした。
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by oobayouzou
| 2012-05-18 23:23
| ・逆行
“くろんぼ”の存在にあらぬ妄想を掻き立てられる村人たち。少年はそんな安易な嘘に嫌気がさす。だが、そんな彼もまた妄想の虜となってしまうのだ。夢の無い生活。それが妄想の根源であると作中にはある。確かに、満たされぬ現実に人は妄想を抱くものなのかもしれない。信頼すらも妄想。では私の場合はどうであろうか。やはり、同じか。
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by oobayouzou
| 2012-05-15 23:23
| ・逆行
精一杯に気取って得られたある程度のステータス。だが、それも、ちょっとした気の緩みや甘えによって脆くも崩れ去っていく。すべては錯覚であったのだ。作中、決闘の場面では思わず笑ってしまった。哀れなれども滑稽。泥にうつぶせる主人公の姿が私自身に重なる。私は、私を、笑っていたのだ。
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by oobayouzou
| 2012-05-11 23:23
| ・逆行
“甲斐ない努力の美しさ。その美に心ひかれた。”という言葉にこそ、心ひかれてしまう。作中のフローベルにおける考察は、彼を貶めているかに見え、実は賛美しているように思えた。“芸術は所詮、市民への奉仕の美である。”そのかなしい諦めに抗うかのような努力。創業満三箇年を迎えた食堂での奉仕品。理想と現実。本音と建て前。その狭間で揺れ動く、私自身のジレンマさえも描かれている気がした。
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by oobayouzou
| 2012-05-08 23:23
| ・逆行
蝶蝶の幻覚。その描写の通り、降るように落ちる様を想像すると、なんだか恐ろしくなった。そういえば、私も一度だけ幻覚を見たことがある。それは小蝿の大群であった。部屋の隅から私に向かって、一直線に向かってきたのである。当時はだいぶ精神的に追い詰められていたのだ。この主人公はどうだったのだろう。うす笑いひとつ「遊びたい」というセリフ。果たしてこれは生への執着か。それとも、諦めか。
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by oobayouzou
| 2012-05-04 23:23
| ・逆行
これまで何作もの読書感想文を書いてきたが、どれもこれも長くなりがちで、自分自身の感想そのものよりも、参考文献からの引用に頼ったものになりがちであったことを反省している。そこで、この『逆行』に関しては自分の言葉のみで短く簡潔に書いてみることとしたい。あまり気負わずに、軽い気持ちで楽しみながら書いていければと思っている。他人が読んでも面白いものではないかもしれないが。
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by oobayouzou
| 2012-05-02 20:20
| ・逆行
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