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『竹青』を再読。
かつての“排他と反抗”の時代を経て、“市井の小説家”として生きることを決意した太宰さん。この作品の主人公は、まさしく太宰さん自身の姿が投影されている。 人から鳥へ、鳥から人へと、実に4度の再生が図られている。また、妻もその姿を変えている。この辺に、見事な符号の一致を感じずにはいられない。 しかし、着目すべきはそこではなく、“排他と反抗”の時代を経た太宰さんであるからこそ、描くことができる世界観にある。 周りから馬鹿にされ、夢にも破れ、つくづく生きることに疲れ果てた男。それでも尚、生への愛着を捨てきれない。たとえ俗世にまみれようとも、そこにこそ、人としての幸せが見出されるのだ。 それは幸せと呼ぶには、あまりにもちっぽけで些細なことかもしれない。しかし、だからこそ万人が掴むことができる。平凡であるが故の幸せ。そんなことが、この作品からは感じられるのである。 私は、太宰さんのこうした作品によって、いつも心が救われる。こういう作品が、たまらなく好きなのだ。
by oobayouzou
| 2011-07-22 20:03
| 1.最近出会った太宰さん
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