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太宰治『お伽草紙』より「瘤取り」を再読。
性格の違う二人のお爺さんの姿をシニカルに描いた作品。従来の『瘤取りじいさん』とはまったく雰囲気の異なる面白さを紡ぎだしている。 孤独を抱えたお爺さんはさらに孤独を深め、鬱々とした日々を送るお爺さんはさらに鬱々とした日々を過ごすのであろう。 しかしこの二人、たとえ立場が逆であったとしても、それほど生き方は変わらなかったのかもしれない。瘤があろうと無かろうと、やはり同じような悩みを抱いたまま生きていったのではないかと思えるのだ。 これは、太宰さん自身にも言えることかもしれないし、私自身も同じかもしれない。 性格の悲喜劇というものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れています。~「瘤取り」より
by oobayouzou
| 2011-06-13 20:00
| ・お伽草紙
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