カテゴリ
1.最近出会った太宰さん ・逆行 ・新釈諸国噺 ・お伽草紙 ・黄村先生シリーズ 2.太宰文学考 ・『待つ』について 3.エッセイ・小説・その他 ・太宰です……。 4.駆け込み、謳え 5.太宰治で読書感想文を書こう! ・太宰治で読書感想文を!2012夏 6.この夏読みたい太宰治 ・この夏読みたい太宰治2012 ・『道化の華』事件の考察 7.撰ばれてあることの太宰と私 8.マイノスタルジア タグ
記事ランキング
検索
以前の記事
2012年 11月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 blogranking
外部リンク
blogparts
その他のジャンル
ブログジャンル
画像一覧
|
太宰治の作品は大きく分けて、前期・中期・後期の3つの時期に分けられている。
かつて、若かりしき日の太宰治は、自殺未遂などを起すなど、精神的に不安定な時期があった。自ら「排除と反抗」の時代とも呼んだその頃の作品は、良く言えば前衛的で、悪く言えば支離滅裂なものまでもがある。処女作品集『晩年』をはじめ、『創世記』『二十世紀旗手』『HOMAN LOST』など、その作品自体より、ゴシップ的な話題の方が有名なものが多い。 その後、太宰は周りからの支援などによって精神の安定を図り、“市井の小説家”としての再出発を志したのであった。その当時の彼の作品は、ひとつひとつが個性的で、彼の多彩で繊細なる文才が存分に発揮されている。有名どころで言えば『走れメロス』がこの頃の作品にあたる。他にも、数え上げるとキリが無いほどの秀作が目白押しである。 しかし、そんな太宰にもさらなる転機が待ち受けていたのであった。それは“戦争”である。彼は“戦争”によって次第に精神不安定を引き起こし、ついには哀しい最期を遂げてしまう。享年39歳。作家として、まだまだこれからの時である。この頃の作品は決して暗鬱なものではなく、痛々しいまでの明るさが感じられる。“ アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ”『右大臣実朝』という一文からも窺えるように、終戦直後の日本に滅びの姿を見出していたのかもしれない。そして、そのことが、彼の精神にも少なからず影響を与えていたのではないだろうか? 太宰治の作品中、最も有名であろう『人間失格」は、この時期に書かれたものである。他に『斜陽』『ヴィヨンの妻』『トカトントン』そして『グッド・バイ』など。 ただし、遺作である『グッド・バイ』は、それまでの彼の作品とは趣が異なることから、“太宰文学の第四の時期は、大きく花ひらきかけていた”(『グッド・バイ』新潮文庫・奥野健雄解説より)との指摘も為されている。
by oobayouzou
| 2011-04-12 20:01
| 2.太宰文学考
|
ファン申請 |
||