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かつての私は、この作品のクライマックスシーンにおいて、号泣してしまった思い出がある。
しかし、後に大学にて太宰治の研究をするあたり、その場面での事実はなかったことを知る。そう、虚構であったのだ。 現実の太宰は竜神様の場面で一言もタケと言葉を交わしていない。~相馬正一『評伝 太宰治』より このことを知った時、私はひどく落胆した。感動した自分にさえ嫌気がさした。しかし、これは“小説”なのだから、“虚構”が入って当たり前ではないだろうかとも考えた。 作品の結びの部分には、こうある。 私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。~『津軽』より なるほど、はじめから“虚構の世界”である“小説”を書いたまでであって、“事実”に“虚飾”をして書いたわけではないということか。私が勝手に事実だと思っただけのことなのだ。 実際、太宰さんの作品を読んでいくと同様のケースに陥りやすい。だから、少し注意が必要なのだ。 しかし、逆に単純に騙されるような純粋さを持っていなければ、太宰文学の奥深さは理解できぬのかもしれない。
by oobayouzou
| 2011-05-22 20:01
| 2.太宰文学考
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