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かつての私が『走れメロス』を読んだ後、どういう順番で他の作品を読んでいったか、実はよく憶えていない。
しかしながら、私の中での不動の作家として、太宰さんが心に刻み込まれた決定的な作品が、その中にはあった。それは『パンドラの匣』と『正義と微笑』である。 当時、私は入院しており、ベッド脇に太宰治の文庫本を積み上げていた。あの黒い表紙はさぞかし異様にみえたことだろう。看護師さんたちからは、特に何も言われはしなかったが。その中に『パンドラの匣』はあった。 奇しくも、主人公は病気で療養中の若者。私はもう、同調せずにはいられなかった。そこに書かれてあることは、まるで自分の身に起きたことのようにさえ思えた。 正直、私は不安であった。病気を通じて、今後の人生が不安であったのだ。 しかし、そのタイミングに、私はこの作品に巡り会ったのである。そして、心が救われたのだ。 当時の私にとって、この作品は文字通り“パンドラの匣”であったに違いない。
by oobayouzou
| 2011-05-10 23:04
| 8.マイノスタルジア
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