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太宰治『清貧譚』を再読。
清貧であることにこだわり続ける男が、その想いとは裏腹に、次第に豊かになっていくという不思議な話。中国、清の時代に書かれた怪奇小説集『聊斎志異』の中からの一編を原典としている。 作中、豊かになった男は、仕事もせずに剛情も言わなくなるのであるが、この辺に太宰さんらしい皮肉が隠されていることに気付く。 それは恐らく“排除と反抗”を捨て、“市井の小説家”たらんとする自分自身への批判や戒めといったものを意味するのであろう。 しかし、それでも、この作品の主人公の純粋さは豊かになった後にも失われておらず、その純粋さ故に、物語は美しくエンディングを迎える。 或いはこれも、太宰さん流の自己肯定の手段であったのかもしれない。 女の「あなたの潔癖も、あてになりませんわね」という一言が、なぜか小気味よくさえ、心に響いた。
by oobayouzou
| 2011-04-18 20:01
| 1.最近出会った太宰さん
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